AI導入の前にやるべき業務棚卸し|管理職が今日からできること

DX・AI

この記事は、AI導入について情報収集中の方向けです。具体的なAI導入の手順やテンプレートは【生成AI社内利用規程の作り方|中小企業向けテンプレート付き】でまとめています。

「うちもAIを入れたいけど、何から手をつけていいか分からない」——そんな声を、中小企業の経営者や管理職からよく聞きます。

わたし自身、経営管理の現場で15年ほど働いてきました。そこで気づいたのは、「AIを入れれば何とかなる」という期待だけで導入を進めても、うまくいかないことが多いということです。

理由はシンプルで、そもそも「今の業務がどうなっているか」が整理されていないからです。土台がないままAIを入れても、効果は限定的です。

この記事では、AI導入の「前」にやっておくべき業務棚卸しの方法を紹介します。管理職として明日からできる具体的なステップを、わたしの経験も交えながらお伝えします。

この記事のポイント

  • 「AIを入れれば何とかなる」は落とし穴
  • 見えていない業務は改善できない
  • 業務棚卸しは3ステップでシンプルに進められる
  • 管理職は自分の業務から始めるのが効果的
  • チームに「何に時間がかかっているか」を聞くことが第一歩
  • 「AI化したい業務リスト」を1枚にまとめておくと稟議にも使える

それでは早速見ていきましょう。

なぜ「AI導入の前」に業務棚卸しが必要なのか

AIツールはどんどん進化していますが、魔法の杖ではありません。導入の「前」に土台を整えておくことで、効果が何倍にも変わります。

「AIを入れれば何とかなる」の落とし穴

「AIを入れれば業務が効率化する」という期待は、半分正解で半分間違いです。正確に言うと、「整理された業務にAIを入れると効率化する」が正しい表現です。

たとえば、議事録作成をAIに任せたいと思っても、そもそも「議事録をどこに保存するか」「誰がチェックするか」が決まっていなければ、AIが作った議事録がどこかに消えてしまうことになります。

見えていない業務は改善できない

経営管理の現場でも同じなのですが、数字で見えていないものは改善のしようがありません。

「なんとなく忙しい」「誰かがやっているはず」という状態では、どこにAIを入れれば効果が出るのか判断できません。まずは業務を「見える化」することが、すべての出発点です。

業務棚卸しの具体的なやり方

ここからは、業務棚卸しの具体的なステップを紹介します。難しいことはありません。まずはやってみることが大事です。

ステップ1:業務を一覧にする

まずは、チームで行っている業務を一覧にします。大きな単位で構いません。「請求書作成」「顧客対応」「会議運営」「報告書作成」といった具合です。

ExcelやGoogleスプレッドシートで十分です。1行に1業務を書き出していきます。漏れがあっても、後から追加すればOKです。

ステップ2:工数を「見える化」する

一覧ができたら、それぞれの業務に「週あたり何時間かかっているか」をざっくり書き込みます。正確でなくて構いません。「だいたいこれくらい」という感覚値で十分です。

たとえば、「請求書作成:週3時間」「顧客対応:週10時間」「会議運営:週5時間」といった具合です。

ステップ3:ムダ・重複・属人化を洗い出す

工数が見えたら、次は「ムダはないか」「他の業務と重複していないか」「特定の人しかできない業務はないか」をチェックします。

ムダ:やめても誰も困らない業務。重複:別の人が同じことをやっている業務。属人化:その人がいないと止まってしまう業務。

これらが見つかったら、「AIを入れる前に整理できること」と「AIを入れて効率化できること」に分けて考えます。

チェック項目できているこれから
業務の一覧表がある
各業務の工数(週○時間)がざっくり分かる
ムダな業務がないか確認した
重複している業務がないか確認した

管理職が今日からできる3つのアクション

業務棚卸しは、チーム全体で取り組むのが理想ですが、まずは管理職が自分から動くことで、周囲を巻き込みやすくなります。

アクション1:自分の業務から始める

まずは自分自身の1週間の業務を書き出してみてください。「意外とこの作業に時間を取られている」「この会議、本当に必要だろうか」といった気づきが生まれます。

自分でやってみることで、チームに依頼するときの説得力も増します。

アクション2:チームに「何に時間がかかっているか」を聞く

次に、チームメンバーに「今、何に一番時間がかかっていますか?」と聞いてみてください。雑談の延長で構いません。

「実はこの報告書、毎週3時間かけて作っているんです」「この問い合わせ対応、同じ質問ばかりなんですよね」——こうした声が、AI化のヒントになります。

アクション3:「AI化したい業務リスト」を1枚にまとめる

棚卸しの結果を踏まえて、「この業務はAIで楽になりそうだ」と思うものを1枚にまとめます。

優先順位をつける必要はありません。まずは「候補リスト」として見える化しておくことが大事です。このリストがあれば、AI導入の稟議を通すときの材料にもなります。

まとめ

AI導入の効果を最大化するためには、その「前」に業務を整理しておくことが欠かせません。

この記事のポイントを振り返ります。

  • 「AIを入れれば何とかなる」は落とし穴
  • 見えていない業務は改善できない
  • 業務一覧 → 工数の見える化 → ムダ・重複・属人化の洗い出しの3ステップで棚卸しする
  • 管理職は自分の業務から始め、チームに「何に時間がかかっているか」を聞く
  • 「AI化したい業務リスト」を1枚にまとめておく
  • 棚卸しは完璧を目指さず、まずやってみることが大事
  • ExcelやGoogleスプレッドシートで十分に始められる
  • 土台が整えば、AI導入の効果は何倍にもなる

業務の土台が整ったら、次は生成AI導入のルールづくりへ。具体的なテンプレートや導入ステップは【生成AI社内利用規程の作り方|中小企業向けテンプレート付き】で詳しく解説しています。

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