オフィスの配線整理、後回しにしていませんか?経営管理15年の経験から、配線整理を「見えない生産性投資」として捉え、ROI計算と実践ステップを解説します。経営層への提案のコツや、小さく始めて効果を見せるアプローチも紹介。
この記事のポイント
- 配線整理が後回しにされる3つの理由
- ROI計算で投資対効果を数字化する方法
- 中小企業向けの実践ステップ3つ
- 経営層への提案を通すコツ
それでは早速見ていきましょう。
オフィスの配線整理、なぜ「後回し」にされがちなのか
オフィスの配線整理は、多くの中小企業で「後回し」にされがちなテーマです。わたし自身、経営管理の仕事を15年続けてきましたが、配線整理に本格的に取り組んだのは、在宅ワークが普及してからでした。なぜ配線整理は後回しにされやすいのか、そしてなぜ今こそ取り組むべきなのかを、経営管理者の視点から考えてみます。
| 効果の種類 | 具体例 | 測定方法 |
|---|---|---|
| 定量効果 | 探す時間・掃除時間・トラブル対応時間の削減 | 時間計測→時給換算 |
| 定性効果 | 転倒リスク低減、火災リスク低減、来客時の印象向上、集中力向上 | アンケート・ヒアリング |
見えないコストが積み重なるリスク
配線がぐちゃぐちゃな状態を放置すると、「見えないコスト」が積み重なります。たとえば、「あのケーブルどこだっけ」と探す時間、掃除のたびに配線を動かす手間、機器トラブル時に原因特定にかかる工数。これらは1回あたりは小さくても、1年間で積み重なると無視できないコストになります。経営管理の仕事では「見えないコスト」の可視化が重要ですが、配線整理はまさにその典型例です。
中小企業で配線整理が進まない3つの理由
中小企業で配線整理が進まない理由は、大きく3つあります。1つ目は「優先度が低い」と判断されやすいこと。売上に直結しないテーマは、どうしても後回しになります。2つ目は「誰が担当するか」が曖昧なこと。総務なのか、IT担当なのか、各自なのか。担当が決まらないと、誰も動きません。3つ目は「効果が見えにくい」こと。配線整理をしても、すぐに売上が上がるわけではないので、投資対効果を説明しにくいのです。
在宅ワーク普及で顕在化した「配線問題」
在宅ワークが普及したことで、配線問題は「オフィス」だけでなく「自宅」にも広がりました。会社支給のPCに加えて、モニター、電動デスク、デスクライト、スマートフォン充電器…。ケーブルの本数は増える一方です。オフィスでは総務が整理してくれていた配線を、自宅では自分で管理する必要があり、「配線整理のスキル」が個人にも求められるようになりました。
配線整理のROI計算|投資対効果を数字で考える
経営管理者として何かを提案するとき、「ROI(投資対効果)」で説明できると通りやすくなります。配線整理も同じで、数字で効果を示すことが大切です。
| 項目 | 金額・時間 | 備考 |
|---|---|---|
| 初期投資 | ||
| グッズ購入費(10デスク分) | 50,000円 | 5,000円/デスク |
| 作業工数(設置) | 40,000円 | 20時間×時給2,000円 |
| 初期投資合計 | 90,000円 | |
| 年間削減コスト | ||
| ケーブル探し時間削減 | 80,000円 | 4時間/人×10人×2,000円 |
| 掃除の手間削減 | 60,000円 | 3時間/人×10人×2,000円 |
| トラブル対応削減 | 40,000円 | 2時間/人×10人×2,000円 |
| 年間削減コスト合計 | 180,000円 | |
| 投資回収期間 | 約6ヶ月 | |
配線整理にかかるコストの内訳
配線整理にかかるコストは、大きく分けて「グッズ購入費」と「作業工数」の2つです。たとえば、デスク1台分の配線整理に必要なグッズは3,000〜7,000円程度。作業時間は、初回設置で1〜2時間、その後の維持は月15分程度。従業員10人のオフィスで一斉に導入する場合、グッズ代5万円+作業時間20時間(時給2,000円換算で4万円)=初期投資約9万円と試算できます。
削減できる「見えないコスト」を洗い出す
削減できるコストを洗い出してみましょう。「ケーブルを探す時間」が1日1分あるとすると、年間で約4時間。「掃除の手間」が月15分増えているとすると、年間で約3時間。「機器トラブルの原因特定」に年2回×1時間かかっているとすると、年間2時間。合計で年間9時間×時給2,000円=1.8万円/人。10人なら年間18万円の「見えないコスト」です。
1年で投資回収できるケースの具体例
初期投資9万円に対して、年間削減コストが18万円なら、約6ヶ月で投資回収できる計算になります。もちろん、これは仮の数字ですが、「見えないコスト」を可視化して計算すると、意外と短期間で投資回収できるケースは多いです。さらに、「つまずきによる転倒リスク」「火災リスク」「来客時の印象」といった定性的な効果も加えると、投資判断はより正当化しやすくなります。
中小企業向け配線整理の実践ステップ
配線整理を「やろう」と決めても、「何から始めればいいかわからない」という声をよく聞きます。ここでは、中小企業で実践しやすいステップを3つに分けて紹介します。
まず現状把握:配線の「見える化」から始める
最初にやるべきは、現状把握です。各デスクの配線状況を写真に撮り、「何本のケーブルが、どこを通って、どこに接続されているか」を可視化します。この作業をすると、「このケーブルは何に使っているのかわからない」「同じ場所に5本も束ねられている」といった問題点が見えてきます。
ルールづくり:最低限の配線ガイドラインを設定
次に、最低限のルールを決めます。たとえば、「電源タップは床に直置きしない」「デスク下にはケーブルトレーを設置する」「ケーブルには識別ラベルを貼る」など。ルールは最初から完璧を目指さず、「これだけは守る」という最低ラインを決めるのがコツです。
導入と定着:仕組みとして維持するポイント
グッズを導入したら、「仕組み」として定着させることが重要です。担当者を決める、定期的にチェックする日を設ける、新入社員向けにガイドを作る…。「一度やって終わり」ではなく、「続けられる仕組み」を作ることで、配線整理の効果が持続します。
経営管理者として「配線整理」を提案するときのコツ
経営会議や予算申請で「配線整理に投資したい」と提案するとき、どう説明すれば通りやすいでしょうか。わたしが実際に使っている3つのコツを紹介します。
「ROI」で説明すると通りやすい
経営層には「数字」で説明するのが効果的です。前述のROI計算を使って、「初期投資○円に対して、年間削減コスト○円、投資回収期間○ヶ月」と具体的に示しましょう。「見えないコスト」を可視化するだけで、説得力が格段に上がります。
「安全・健康」の視点を添える
ROIだけでなく、「安全」「健康」の視点を添えると、さらに通りやすくなります。「つまずきによる転倒リスク」「ホコリによる火災リスク」「視覚的なノイズによる集中力低下」など。特に労災リスクの観点は、経営層にとっても無視できないテーマです。
小さく始めて効果を見せる
最初から全社展開を提案するのではなく、「まず1部署で試してみる」「まず自分のデスクで効果を見せる」というアプローチも有効です。小さく始めて効果を実証し、その結果をもとに横展開を提案する。この「小さく始める」姿勢が、組織での導入をスムーズにします。
具体的なグッズの選び方や、在宅・オフィス兼用で使える商品については、こちらの記事で詳しくまとめています。 ▶︎ 【在宅ワーク向け配線整理グッズおすすめ7選|価格帯別に徹底比較】
まとめ|配線整理は「見えない生産性投資」
この記事では、中小企業の経営管理者向けに、配線整理のROI計算と実践ステップを解説しました。
【この記事のポイント】
- 配線整理は「見えないコスト」を削減する投資
- 中小企業で配線整理が進まない理由は「優先度」「担当者」「効果の見えにくさ」
- 在宅ワーク普及で配線問題は「オフィス」から「自宅」にも拡大
- ROI計算:初期投資9万円、年間削減コスト18万円なら約6ヶ月で投資回収
- 定量効果(時間削減)と定性効果(安全・健康・印象)の両面で評価
- 実践ステップ:現状把握→ルールづくり→導入と定着
- 経営層への提案は「ROI」「安全・健康」「小さく始める」がコツ
- 具体的なグッズ選びは【メイン記事】を参考に
配線整理は、一見地味なテーマですが、「見えない生産性投資」として捉えると、その価値が見えてきます。

